車の買い方、リースの仕方、保険など
Q: アメリカで車を購入する予定です。自動車保険に入る前に何か準備するものはありますか?
A: 私の体験(North Carolina州での話です)からひとつお話しします。 車の保険に入る時に「日本での免許歴・無事故歴」を証明する書類を提出するよう求められたことがあります('97年4月のことです)。それがないと保険料が5倍ぐらいにはね上がるので、大あわてにあわてました。以前は日本の免許証でも通ったらしいのですが、最近の移民法の変更で厳しくなったという話でした。それで、私の場合は日本でお世話になっていた保険屋さんに頼んで、過去?年間の証明書を書いてもらいました(英文)。「?年」というのは数字の記憶が定かでなくて、確かアメリカの保険屋の要求は最低3年で、日本の保険屋は過去の記録から6、7年の証明を出してくれたと覚えています。 この時、日本の警察署(兵庫県警)にも問い合わせたのですが、自動車安全運転センター(特殊法人)でも「無事故・無違反証明書」を出していることを知りました。この証明書は英文でも作成可で、1通700円ぐらいの手数料で、作成に1週間〜10日かかったと思います。私は念のためにこの証明書も申請して添付しました。 州によって事情が異なるかも知れませんが、日本の保険屋と警察の証明書を持参すると、いざという時にあわてなくてすむと思います。ここからは想像ですが、つい最近、事故や違反をやってしまったという人でも、「免許歴」を証明できれば有効なケースがあるように思います。お守りのつもりで、これらの証明書を携えて渡米されることをお勧めします。
自動車と自動車保険 (続編)
Q.どんな手順で車を選べばいいですか。
A.車を買う場合、色々なことを頭に入れてかからねばなりませんが、順序としては「車を決め る→保険を買う→車を買う→車を登録する」のように行います。「どんな車にするのか?」は 予算にもよりますが、場合によって新車・中古車購入のほかリース、レンタカーといった手段も 考えられます。値段の相場は地元の新聞広告、“Consumer Reports” (新車ガイド)、“Blue Book”と一般に呼ばれる中古車の公式ガイド (Kelly Blue Book Auto Market Report。図書 館、AAA、銀行などにある。http://www.kbb.com/index.html)、それ以上に周りの日本人の経 験がたいへん参考になります。自動車保険のことも含め、色々な人たちに相談してみましょう 。
Q.新車を買う上でのメリットやデメリットは何ですか
A.新車は気持ちもいいし、機能的にまず心配ないのですが、車自体だけでなく保険も高くつく ことと、帰国時に売る場合購入・売却時の差額が大きいので、1-2年後に帰国という場合は特 に大幅な損がでることを予想しなければなりません,子供が小さいと車内が汚れますので、さ ら・ノこの差額が広がります。 ・ 車種を決め、同じメーカーのディーラーをできたら2ヵ所以上は視て比べる (安心できる業 者はPAではMain Line に多い)。その際、ハイウェイも含めて試乗すること。 ・ 毎年9月に次の年の新車が出るので、7-8月の時期にその年のモデルを狙う。 ・ 新車も値段の交渉をする。定価では買わない。
Q.中古車を買う上でのメリットやデメリットは何ですか。
A.中古車は、うまくいくと本当にいい車が手ごろな値段で入手できます。購入先は日本人で帰 国予定の人か、新車・中古車・修理場があるような大手のディーラーが安心です。ディーラーは やはり売れ筋あたりのを含めて2〜3見て歩くと、そのうちこれだという車が見えてきます。 ・新車の場合同様、試乗は納得が行くまでハイウェイも含めて必ずやる。 ・走ってみて気に入ったら、それを別のメカニックに調べてもらうこと。近所か、または誰かに 紹介してもらったところでアポイントをとる ($30くらいで基本を見てくれる)。これだけでも 基本的問題は避けられるし、値段の交渉も具体的にできる。日本人同士の場合も必ずこれをす ると、後でゴタゴタしない。
Q.車をリースする上でのメリットやデメリットはなんですか。
A.リ―スは新車・中古車いずれも2年以上乗ることが条件です。購入・売却の面倒は一切ありま せんが、はっきり言って掛け捨て (払うばかりで何も資産としては残らない) ですから、例え ば、経費で落とすことが可能な場合はお勧めです。テレビ・雑誌でよく宣伝されていますが、実 際の契約時にはありとあらゆる条件を調べ確認・比較・判断をする必要があります。月々$299.00 というようなテレビのコマーシャルを鵜呑みにするわけにはいきません。
Q.レンタカーをする上でのメリットやデメリットは何ですか。
A.レンタカーは最初にあると便利です。1週間単位で借り、飛行場から飛行場に返すのが安い 方法です。行ったその場で借りると高くつくので、前もって手配してください。このレンタカ ーがあるうちに車を探しましょう。また、保険・駐車料の高い都会の市街地に住む場合は、遠出 したい週末だけにレンタカーを利用するのが賢い方法です。旅行時と非常時にも活用します。
Q.自動車保険を選ぶ際の注意点は何ですか
A.自動車保険は車が決まらないと見積りも出ませんが、都会の市内に住んでいると郊外に比べ て大幅に高くなります。自動車保険はこちらの人連にとっても頭の痛い問題のようで、調べて は安い方へとこまめにスイッチしています。なお、日本から来たばかりの人は新米ドライバー 扱・「となります。 ・JAL Cardで可能な団体保険は、安くても免責が高いので小さな事故はカバーされないとか。ま た、ディーラーで扱っている保険は便利だがやはり高くつく。AAAその他の大手の保険屋でも見 積ってもらい比べてみること。 ・現地 (住んでいる州) の免許をなるべく早く取る。 ・一家2台の場合はセットにして見積ってもらう。
Q.車の登録方法を教えてください。
A.保険を買うと仮登録No.をもらえますので、それを提示して車代を払い、初めて車の持ち主と なることができます。車の登録手続きは、ディーラーから購入した場合そのディーラーで、個 人からの場合AAAで (メンバーは無料) 簡単にできます。正式な書類は後で郵送されてきます。 NJの場合、保険を買った後でMotor Vehicle Servicesかその代理オフィスへ自分で登録に行き ます (その他の州もほぼ同様。カリフォルニアの場合は部署の名前がDepartment of Motor Vehicle - DMVとなる)。将来売る必要がありますから、車に関するすべての書類は領収書、修 理明細も含め大事に保管しておいてください。
Q.保険額を左右する主な条件はなんですか。
A.住所 (市内は高く、郊外は一般に安い)、年齢、既婚か独身か、運転歴 (アメリカでの運転歴 が3年未満の場合、High Riskカテゴリーの初心者扱いで、日本から来たばかりの人はこれにな り高くつく)、車種、新車か中古車か、年間走行距離、利用用途 (通勤など) が主な条件です。 州によっては、受動的シートベルト (ドアを閉めると自動的に胸のシートベルトが閉まるもの) や運転席と助手席のエアバッグ・盗難防止装置の有無、保険加入者が55才以上か、さらには州認 定の安全講習 (ある州とない州がある) を修了したかによっても保険料が左右されます。 ・ 同じハイリスクでも業者によって大きく値段の異なるのがInsurance。日本人の知り合いや職 場の人達に尋ねるなどしてメドをつけておくことが必要。見積りを取るだけでも誰かが使って いるところの方が安心。 ・ 理想は2〜3業者に見積ってもらうこと、2台目の車もセットで見積ること、なるべく早め に州免許を取ること (保険の支払は数回に分けることが可能なので、取得次第連絡すると次の 支払の再見積りをしてくれる)。 ・車のディーラーの保険は一般に高い。 ・AAAでも扱っているので見積ってもらい、同時にメンバーになるのがよい。 ・州ごとに保険業者の監視機関があり、業者別レート比較表などもくれるので利用してみては?
WARNING!
保険に加入する際、安くなるからといってウソをつかないこと。虚偽に基づいた契約に保険金 は降りない。次のPAの場合のように処罰を課す州もある。 WARNING NOTICE MOTOR VEHICLE INSURANCE FRAUD (PENNSYLVANIA) ANY PERSON WHO KNOWINGLY AND WITH INTENT TO INJURE OR DEFRAUD ANY INSURER FILES AND APPLICATION OR CLAIM CONTAINING ANY FALSE, INCOMPLETE OR MISLEADING INFORMATION SHALL, UPON CONVICTION, BE SUBJECT TO IMPRISONMENT FOR UP TO SEVEN YEARS AND PAYMENT OF A FINE OF UP TO $15,000.
Q.JALカードの自動車保険に入ろうと思うのですが。
A.JALカードで加入できるAIU社の自動車保険は団体格安料金になっているので、ハイリスク・ド ライパーにはおススメですが、免責額が高く指定されているとか。日本でJALカードに入会して くる必要があります。JALカードでは他の保険も各種扱っているので、それらを比べ最低限度に 押さえる事がポイントです。JALカードの連絡先は: 〒103 東京都中央区日本橋本町1-6-5 ツカモトビル6階 電話: 03-3279-2131。
Q.自動車保険の構成要素はなんですか。
A. 自動車保険を構成する保険は大きく次の7つに分けられます。免責金額もしくは自己負担額 はdeductibleといいます。各項目の目安額はConsumer Reports (Jan. 1997) で勧められてい るものです。
1. Bodily Injury Liability (対人損害賠償責任保険) 事故で他人を死傷させた場合の補償責任の補償。持ち家、貯蓄、中の上程度の年収がある場合 、少なくとも1人あたり最低10万ドル、事故1回あたり30万ドル払う。資産と年収が少ない場 合のみそれ以下を買う。万が一負債が保険額以上になる場合に備えるなら、上積み保険を買う (Umbrella Insurance: 個人の賠償責任に対し自動車保険またはホーム・オーナー保険を補うも の。百万ドルの場合掛け金は年約2百ドル)。
2. Property Damage Liability (対物損害賠償責任保険) 事故で他人の財産、所有物を損なった場合の補償責任の補償。保険で賠償額をカバーできない 場合を考慮するなら上述の上積み保険を利用する。
3. Medical Expense Coverage (搭乗者損害保険) 運転者や同乗者が死傷した場合、その医療費を通常1年間補償。葬儀費も支払われる。自分の 健康保険が不十分と思われる場合、あるいは健康保険に入っていない場合に買う。
4. Uninsured Motorist (無保険者障害保険) 損害賠償責任のある加害者が保険に入っていない場合、代わりに支払われる保険。最低1人あ たり10万ドル、事故1回あたりなら30万ドル支払う。
5. Comprehensive (包括車両保険) 転覆、衝突以外の損害 (盗難、火災、落下物による損傷、いたずらによる損害など) に対して 支払われる。車が新しいほど免責額を低くするのが一般的だが、この免責額を上げて保険料を 安くするのも定石。3年ものまで、もしくは価額が4千ドル以上の車両には掛けたほうがよい 。
6. Collision (衝突車両保険) 衝突、転覆による自分の車の損害に対し支払われる。3年ものまで、もしくは4千ドル以上の 車両には掛けた方がよい。免責額は最高でも5百ドルにする。
7. Personal Injury Protection保険 (PIP) 運転者とその家族に対する広い意味での医療・葬儀費補償。事故による給与損失および自宅での ヘルパー費用も義務づけられているので、Health/Life/Disability Insuranceが十分なら法 廷最低額を買う。任意なら買わない。
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